注文住宅を建てるならつなぎ融資を活用しよう
土地購入から行う注文住宅は、
自由度が高く、家を建てる楽しさも多いですが、
多額の頭金(自己費用)が必要と言われています。
土地の購入代金、住宅着工金、住宅中間金...と、
進捗段階ごとにまとまった額の支払いが必要になるからです。
ただ、まとまった資金がなくとも
「つなぎ融資」を銀行から受けることも可能です。
しかし、このつなぎ融資は、通常の住宅ローンとは性質が異なりますし、
金融機関の取り扱いも少ないです。
そこでいくつかの銀行の「つなぎ融資」を比較してみたいと思います。
つなぎ融資の特徴
つなぎ融資の特徴は、その名の通り、「つなぎ」であることです。
住宅ローンでは、土地建物を抵当に入れるという方法で、
万が一返済ができない場合に備えて借入れを行います。
しかし、土地を購入する段階ではまだ建物はないので、
先行して無担保融資を行い、
住宅竣工後に、住宅ローンの借入れで
つなぎ融資分を清算する、というのが一般的です。
つなぎ融資は無担保融資のため、
住宅ローンと比べると金利が高めですので、
利用しなくていいなら利用せずに済ませたいものです。
しかし、住宅竣工までに、
土地の購入代金、住宅設計料、住宅着工金、住宅中間金...
などのタイミングで支払いが必要になります。
必要なタイミングで、適宜追加融資が受けられる(※)ため、
資金力に不安があるなら利用しておいた方が安心です。
※追加融資は回数制限、および金額制限があるのが一般的。
つなぎ融資を銀行ごとに比較
では、銀行ごとの比較をしてみたいと思います。
メガバンクとネット銀行で違いがみられましたので、
大きくその2つから、いくつかの金融機関を取り上げてみます。
【メガバンク】
■みずほ銀行
利用対象:みずほ銀行のフラット35の仮承認を受けており、
かつ団体信用生命保険(以下:団信)に加入できる人
団信保険料:銀行が負担
金利:変動金利
融資限度額:100万円以上8,000万円まで。ただしフラット35の借入れ額以下
なお、みずほ銀行にはネット専用の
「みずほネット住宅ローン」があります。
実は、ネット住宅ローンならば、
フラット35でなくともつなぎ融資が利用可能です。
ただし、こちらは有担保ローンです。
土地購入時に、建物の設計、見積もりを行い、
土地と建物代金を合計した額の一括融資を受けます。
例えば、土地代3,000万円、建物の見積金額2,000万円の場合なら、
土地を購入するときに5,000万円(3,000万円+2,000万円)の抵当権を設定します。
土地だけの状態で建物代を含めて行うというこの借入れは、
つなぎ融資というより住宅ローンの前倒しに近いかもしれません。
■三井住友銀行
利用対象:三井住友銀行のフラット35の融資が確定しており、
かつ団信に加入できる人
団信保険料:銀行が負担
融資限度額:フラット35の借入れ金額まで
金利:固定金利
■三菱東京UFJ銀行
公式サイト上、つなぎ融資の記述はなく、
取り扱いの有無を問い合わせたところ「個別対応」という返答を得ました。
土地、建物代金がいくらになるか総額のシミュレーションを行ったうえ、
つなぎ融資を行うか否かの決断をするそうです。
土地を見つけた後に窓口に行って相談するのが一番確実と言えそうです。
メガバンクは支店窓口のある金融機関ですので、
事務手数料や借入れ回数の上限といった詳細は、
総じて「個別対応」ということでした。
公開情報量はやや乏しいかもしれませんが、
直接窓口で相談できることが強みではないでしょうか。
【ネット銀行】
■楽天銀行
利用対象:楽天銀行のフラット35の仮承認を受けた人で、
団信加入可能な人。限度額はフラット35の借入れ金額まで。
団信保険料:銀行が負担
融資限度額:フラット35の借入れ金額まで。
ただし、土地代・着工金・中間金と資金用途による個別上限があります。
金利:固定金利
事務手数料:一律108,000円
■ARUHI(旧SBIモーゲージ)
利用対象:ARUHIのフラット35の融資に承認を受けている人
団信保険料:取り扱いなし
融資限度額:100万円以上8,000万円まで。
ただしフラット35の借入れ額以下。
また、土地代・着工金・中間金と資金用途による個別上限があります。
金利:1年を365日とする日割り計算(実質金利は3.6%~)
事務手数料:一律108,000円
ネット銀行は支店窓口がない分、情報量が豊富でした。
情報を読み込み、疑問があれば問い合わせるなどして、
よく理解したうえで利用したいです。
※各金融機関の情報は、2016年10月現在のものです。
つなぎ融資を受けるポイントは?
意外と多くの銀行でつなぎ融資の取り扱いがありました。
ただ、今回ご紹介したケースでは、ほとんどが「フラット35の融資ありき」でした。
注文住宅の購入では、フラット35を利用する場合は選択肢が多いですが、
それがない場合(変動金利や期間固定型を希望するとき)は選択の幅が狭くなりそうです。
また、つなぎ融資の期間は通常1年未満です。
予想外に建設期間が長引いてしまうなど、
竣工前に返済期間が来ないように注意しましょう。
つなぎ融資をうまく利用して注文住宅の資金繰りが安心できるようにしたいですね。
おすすめ関連記事
- ハウスメーカーの坪単価比較
- 私はいくら借りられる?住宅ローンの融資金相場
- フラット35と銀行ローンとの違いはどこにある?
- 住宅ローンの審査基準で金融機関が重視する「信用」とは
- 住宅ローンとつなぎ融資の関係性
理想の家づくりを実現するために
すべての住宅会社がよい家づくりを謳っているにも関わらず、
家づくりで失敗する人が後を絶えないのはなぜでしょうか?
- 簡易的な間取りを作成してほしい
- その間取りで建てた場合の費用
- あなたに合った土地探し