注文住宅の設計図書を知ろう②

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設計図書の構成とは

設計図書の構成をしっかり知ろう

 

実施設計

 

設計図書に関しては
実施設計という細かい設計図をまず造ります。
特に注文住宅は車の100倍のパーツがあります。

 

その設計図をさらにお客様の家ごとに作るため、
注文住宅のコストはこの部分にかかっていると
言っても過言ではありません。

 

意匠設計

 

これは表面に出る部分を設計するための
配置図、展開図、パース図など
です。

 

これはお客様にも目に見て
把握しやすく表面に現れるものです。

 

住宅の住み心地に影響します
ただしこれだけでは家が建ちません。
そこで必要なのが構造図です。

 

構造図

 

構造図とは目に見えない部分の設計図です。

 

ハウスメーカーではフロントの意匠設計と
内部的な構造設計に分かれて設計を行っていることも多いです。

 

特に工場を持っているハウスメーカーは
構造設計専門部署で製造していることも多いです。

 

構造図は鉄骨で言えば組立図面や基礎図面
木造ならば梁図(はりふせず)、矩計図(くけいず)などです。

 

設備図面

 

最後は設備図面です。
これは屋外の給排水などの通り道、
また冷暖房の換気の設計などを決めている図面です。

 

さらに電気の配線なども設計します。
敷地の外に排気をどうやって逃がすのかなどを決めていきます。

 

設備図面の中で
お客さんが特にチェックをするべきものは
換気に関する図面です

 

しっかりと換気図を見て、
家の換気がどこから行われるのかを確認しないと、
住み心地が変わってしまうこともあります。

 

外構図面、配置図の落とし穴

 

この2つの図面には意外な落とし穴があります。

 

特に外構図面で私が見てきたものの中で多かったのが、
玄関やカーポートにおける段差です。

 

建物の地盤からどのくらいの高低差があるのかは、
図面だけではわかりにくいこともあります。

 

そのため現地では建物の高さを確認しましょう。

 

外構図面だけでわからない、
スロープの長さや高さ、グランドライン(GL)を基準として
それぞれの部位の高さが基礎から何センチ上がるのかを
書き入れてもらっても良いです。

 

段差がどの程度あるのかは必ず現地で確認しておきましょう
ただし高低差があることは必ずしもデメリットにはなりません。

 

グランドラインより高さがある場所に建てられた家は立派に見えます。

 

■大工のひとり言

 

図面関係で、私の関わったお客様の中での失敗談として印象的だったのは
家具が入らないという問題です。

 

間取りをしっかり作っていたのに、いざ家具を持ち込む段階で
「あら。このソファーじゃ部屋の中に入らない」
ということがあったのです。

 

またタンスが家庭内の動線を塞いでしまう
食器棚を入れたけれども使いにくい場所にしか置けない
テレビ台を置く位置とコンセントの位置が合わなくて引っかかってしまう

 

こういったことがなぜ起きてしまうのかというと、
平面図を見ずに家具を選んでしまったからです。

 

平面図にお手持ちの家具を落とし込む、
もしくは購入予定の家具を平面図のサイズを見ながら選んでおけば、
このような失敗は起こりません

 

平面図に配置した家具類、家電類がしっかり入るのか、
部屋が窮屈にならないのかなどのイメージを持っていただきたいと思います。

 

できれば家具や家電の高さまで打ち合わせをしておけば、より良い設計が可能です。

 

 

実施設計でもう一つ重要なのが窓です。
窓にも種類があり、出窓、ハイウインド、吐き出しなどの種類を選びます。

 

また照明やカーテンの設置場所、冷暖房の排気口の場所などをしっかり確認しておけば、
住みやすさもぐんと変わってきます。

 

実施設計図書における外観図

外観図、立面図の実施設計です。

 

実施設計図書における外観図

 

時には間取りよりも外観重視という方もいます。
シンプルイズベスト。
飽きのこない外観を好まれる方は多いものです。

 

そこで100年経っても飽きのこない家を考えた時に思いついたのが、
外観で言えばアーリーアメリカン調、
つまり左右対称で窓も上下が揃ったバランスの良いものでした。

 

もちろん好みは人それぞれ違いますが、
外観のプロポーションは整っているもの、
奇をてらわないものがやはり多くの人に好まれており、
良いデザインであることが多いです。

 

土地にもよるので一概にはいえませんが、
一般的には外観図で重要なのは
バランスが悪くて不格好でないものかという点を
注意してほしいですね。

 

■大工のひとり言
外観関係で起きたクレームに、
「玄関の上にエアコンの室外機があるのはどうか」
というものがありました。

 

最初から室外機の置き場所を計算したのですが、
後から見て気に入らなかったようです。

 

また南側の入口にキッチンのダクトがありましたが、
数年住んでいるうちに真っ黒に汚れてしまい、
見た目に良くないというクレームが数年後入ったこともありました。

 

これらはやはり、設計側の配慮不足だと思います。
排気口や室外機は目立たない場所に配置しないと
外観が台無しになってしまいます

 

設計担当が工夫するのが当たり前ですね。

 

だからこそやはりどんな会社が設計しても
「一生懸命住む人の立場で考えてくれる」ことこそが最も重要なのです。

 

それをしっかり行ってくれる会社、種類を問わずに選んでいきましょう。

 

■構造図面

 

注文住宅の建築構造図に関していえば、
基本的にタテ・ヨコ・ナナメの考え方が重要です。

 

上から見た伏図などを作ります。

 

ここで重要なのは木造住宅でいえば、梁の構造です。
どうやって地震のときの力を逃がすかを見ていきましょう。

 

木造住宅はマッチ棒のように柱で作るだけでは揺れてしまうので、
筋交いを入れて揺れないようにするのが梁です。

 

古来日本の建築は地震に対して揺れないようにする、
そのために柱と梁に筋交いを入れてきました。
このように揺れない工法が基本なのです。

 

40階建てなどの高層ビルは
揺れて振動を逃がすという全く別の発想です。
ラーメン工法といって揺れながら力を逃します。

 

個人的な意見ですが、
地震であまりにも揺れるのは気持ちの良いものではないです。
ですから2階建て、3階建ての注文住宅であれば
揺れない工法にするべき
でしょうね。

 

構造図で横から見たものが立面図です。
柱と筋交いを横から確認します。
特に基礎とそれらがしっかりと連結されているのかを見ましょう。

 

■設備図について

 

注文住宅の建築設備図で重要なのは
メンテナンスのしやすさ
です。
設備はどんなにもっても20年ぐらいで
錆やつまりなどの問題が起きます。

 

だから交換しやすい構造になっているのかも重視しましょう。
今のマンションなどは配管を埋殺しにすることも多いです。
それはどうかと個人的には思っています。

 

私が以前東南アジアを旅した時に、
こちらの地方では街から異臭が漂うことが多かったのです。

 

それは何故かというと配管を埋殺しにしたため、
錆などで腐臭が漂いやすくなっていたのです。
また漏水や、配管の詰まりが発生することも多くありました。

 

そうならないためのメンテナンスができるかどうか、
設備図のダクト図を見て確認しましょう。

 

もう一つ設備図でのチェック面は自分の要望が反映されているかどうかです。

 

特に冷暖房設備や換気、コンセントの位置などが
入っていないと住環境に大きく影響します。

 

電気図ではアンペアやワットが
足りているかも注意深く見ましょう。
さらにダクトが屋外に出るので、
敷地との相関関係も見ておきましょう。


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