注文住宅の失敗談 その③
〈注文住宅の失敗談11〉
注文住宅の相場を知り、そこから予算計画をして家を建てました。
自分では少し高いかな?と思っていましたが、
住宅ローンの申請も問題なく通りましたし、担当者からも、
「銀行がお金を貸してくれるのは、返済能力を認められたからですよ」
と言われたので、それで予算を決定しました。
毎月の返済額は大丈夫だったのですが、
マンション暮らしのころより、光熱費がかかってしまい、
負担を軽減するために、今は妻と共働きをしています。
〈事前の対策〉
注文住宅の費用を考えるとき、
「自分がいくらの家を建てられるのか」を基準にするのは危険です。
相場や借り入れ可能額はあくまでも、参考程度にとどめるものであって、
自分にあった予算計画を立てることが重要です。
また、マンションは上下左右に住人がいることで、
各部屋の冷暖房が効果を発揮しているため、
一戸建てと比較すると高熱費が安い傾向にあります。
〈注文住宅の失敗談12〉
神奈川県の鎌倉市に家を建てました。
昔から、無垢の木の家に憧れていたので、
設計士さんに紹介していただいた東京の工務店に依頼しました。
腕の良い大工さんだとの紹介でしたし、
雰囲気も良い工務店だったので安心していました。
3月から工事がはじまり、順調に作業が進んでいたのですが、
6月に入って家の異変に気がつきました。
無垢のフローリングがぼこぼこと波打っていましたし、
部屋のドアも湾曲していました。
大工さんに聞いてみると、
「無垢の木ですから季節によって動くんですよ」
「梅雨が過ぎれば元どおりになります」
と言われるだけでした。
多少の動きがあることは事前に知らされていましたが、
毎年、毎年ここまで動かれるのなら、
無垢の家なんて建てるんじゃありませんでした。
〈事前の対策〉
私も、無垢の木を扱っている大工です。
確かに無垢の木は動くのですが、
この場合は、工務店選びにも問題があると考えられます。
鎌倉市は比較的、湿気が多い土地です。
地元の工務店であれば、その点を心得ているはずですが、
東京の大工はそこまで考慮した仕事ができなかったのだろうと思います。
木材は、その土地の気候に合わせて動き、形が変化します。
東京で加工、保管されていた木材を、
別の土地にもっていくと狂ってしまいます。
梅雨や冬の乾燥する時期はそれが顕著です。
このような失敗を避けるには、
地域の気候風土を理解した、地元の工務店を選ぶことが無難です。
もし、地元以外の施工会社に依頼したい場合は、
他県での施工実績が多いかどうかを必ず確認しておいてください。
〈注文住宅の失敗談13〉
住宅メーカーで注文住宅を建てましたが、
工事中の対応が悪くて失敗しました。
勝手にドアの向きを変えられたり、窓の大きさを変えられたりしました。
施工担当者に言っても、「事務所に確認してくれ」と言われるし、
営業の方は毎度事務的な平謝りをするだけでした。
結局ドアの向きは直りましたが、窓は変更不可と言われそのままです。
〈事前の対策〉
このケースは販売・計画をする会社と、
実際に施工する会社が違うことが問題です。
下請け会社は元請けの許可をとらない限り動きませんし、
元請けの管理担当者は他にもたくさんの現場を管理しているので、
個々への対応が遅くなり、話が進まないことがよくあります。
中には連携のうまく取れた会社もありますが、
できる限り、自社設計・施工の工務店を選びましょう。
〈注文住宅の失敗談14〉
※これは私の失敗談です。
昔、茶道の先生のお家を建てさせて頂いたことがあります。
そのお施主さんは、離れにお茶室を持っていたのですが、
建て替えとともに、新居の中に茶室を造ることになりました。
私は、受け取った図面通りに仕事を進めていました。
完成後にお客さんが見に来たのですが、一瞬で顔色が変わりました。
茶道の流派独自のルールがあったようです。
違う流派の仕様で造ってしまったのです。
結果、取り壊してやり直しになりました。
〈事前の対策〉
少しわかりにくい例になったかもしれませんね。
この件の原因は、打ち合わせがうまくできていなかったことです。
茶道の流派は特殊な例ですが、お施主さん独自の要望がある場合、
しっかりと設計側と理解を共有しておく必要があります。
設計者はプロといえど、経験のない分野では、
お施主さんのほうが詳しい場合があります。
口で「分かりました」と言っていても、誤認していることも多々あります。
絵や立面図を描いてもらい、イメージを明確に共有してください。
この件も、事前に一枚絵を描くだけで避けられたものでした。
もちろん、私の勉強不足も原因でした。
茶道に詳しい大工さんであれば、疑問に思ったかもしれません。
この失敗を期に、流派ごとに茶室の造りを勉強をしました^^;
忘れられない失敗のひとつです。
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