注文住宅にかかる総費用の内訳は?
注文住宅を建てるには、家そのものの価格とは別に、
外構工事や保険、税金などの様々な費用がかかります。
家づくり全体にかかるお金を『総費用』と呼び、
本体工事費用・別途工事費用・諸費用の三種類に分けられます。
あなたが支払うお金がどのように使われ、
家づくりに役立てられるのかを、しっかりと理解しておきましょう!
『本体工事費用』
本体工事費はその名の通り、建物そのものにかかるお金のこと。
庭や駐車場などの建物以外にかかる費用は含まれていません。
一般的に広告などで目にする注文住宅の価格や坪単価は、
この本体工事費のことを言っている場合が多いです。
〇〇円の家!などと謳っている広告も多いため、
勘違いしてしまう方もいるのですが、
「お!この会社は他より安いぞ^^」と思って
いざ話を聞き、見積もりをとってみると、
予想以上の金額を提示されることも珍しくありません。
本体工事費は、総費用の75~80%が相場です。
仮に、『1500万円の家』を謳う工務店があったとして、
この価格が本体工事費を指していた場合は、
1500÷0.75=2000万円となり、
実質的に広告価格より500万円も高くなる場合があります。
このように、家を建てるには本体工事費とは別に、
数百万円程度の費用が必要になります。
本体工事費の内訳は、家の根本を支える『基礎工事』
構造材や造作材の加工・組み立てをする『木工事』
空調・お風呂・キッチン・上下水道などの『設備工事』
照明配線・コンセント取り付けといった『電気工事』がなどがあります。
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費用内訳 |
詳細 |
仮設工事費用 |
工事に必要な足場や仮設電気、水道、職人用のトイレ設置など |
---|---|
基礎工事費用 |
構造全体を支える基礎工事に必要 |
木工事費用 |
構造材や造作材などの加工、現場工事 |
屋根・板金工事 |
屋根の瓦やガルバニウムの葺きつけ、雨どいや水切りの取り付け工事 |
外装工事 |
外壁のサイディングや塗り壁など、屋外の装飾工事 |
サッシ・ガラス工事 |
屋外に面した窓の取り付けと防水工事 |
タイル・左官工事 |
玄関や洗面、お風呂場などのタイル、左官による装飾工事 |
断熱・気密工事 |
壁、床下、屋根などに断熱材を取り付ける工事 |
木製建具工事 |
屋内の木製ドア、障子などの加工、取り付け工事 |
金物工事 |
ドアノブやドアフック、手すりなどの取り付け工事 |
電気・水道工事 |
壁、床下、天井裏に電線や電話線、水道管などの配線、配管を行う |
空調工事 |
空調ダクトや24時間換気のための換気口の取り付け工事 |
防腐・防蟻工事 |
構造材を腐食やシロアリから守る薬品工事 |
内装仕上げ工事 |
内壁、天井に塗装やクロス貼りなどの装飾工事 |
住宅機器設備工事 |
お風呂場やキッチン、トイレなどの設備機器工事 |
『別途工事費用』
別途工事費は、建物以外にかかる別途費用のことで、
ガスや水道などの敷設工事、駐車場や庭などの外構工事、
エアコンや照明器具、カーテンなどの購入に使われます。
目安として、総費用の15~20%と考えておきましょう。
別途工事費で注意しておくべき点は、
家を建てる土地などの条件によって、
必要な金額が大きく変わる特徴があることです。
高低差のある土地や、道路から離れている土地では、
ガスや水道の引き込み費用が高くなりますし、
地盤が弱い土地では、地盤改良をしなければなりません。
地盤改良費は、地盤の強度や、建てる家の構法によって変動します。
安い土地を探して購入したとしても、
調査の結果、土地が家を建てられる状態でなかった場合、
数十~数百万円の追加費用を支払って整備しなければなりません。
逆に、環境の整備された住宅地を購入した場合は、
別途費用は相場より安くなることもあります。
費用内訳 |
詳細 |
---|---|
解体工事費用 | もともと住んでいた家や、土地にある古い建物を解体する |
地盤調査費用 | その土地が家を建てられる状態にあるかを調査する費用 |
地盤改良工事 | 家を建てられる状態にするために、補強工事を行う |
引き込み工事 | 水道管やガス管などを土地に引き込む |
敷き設工事 | 土地に引き込んだ水道管などを家の内部に引き入れる |
外構工事 | 駐車場や玄関までのアプローチや犬走りなどを造設する |
造園工事 | 庭の石垣や植栽などを行う |
屋外電気工事 | 屋外の照明や給排水の設置工事 |
特殊設備工事 | 太陽光発電や蓄電設備を取り付ける場合の追加工事 |
空調設備工事 | エアコン本体や室外機、換気扇などの取り付け工事 |
照明器具工事 | シーリング、ペンダント、ブラケット、ダウンライトなどの照明器具工事 |
カーテン工事 | カーテンやブラインドの購入、取り付けを行う |
設計料 | プランを設計事務所や建築家へ依頼した場合に必要 |
※本体工事費と付帯工事費を合わせたものを、建築工事費といいます。
『諸費用』
諸費用とは住宅取得前後に、
基本的に現金で支払わなければいけないお金のことで、
各種税金や住宅ローンなどの手続き料、
地震保険・火災保険などの保険料、
引っ越しや家具、家電の購入費用などがあります。
(※諸費用込みで借入れ可能な住宅ローンも存在します。)
諸費用は、建築工事費の5~7%が相場です。
条件によってかかる費用が変わりますし、
追加でプランを変更したくなった場合や、
想定外の事態が起きたときのために、
できれば10%程度を確保しておくことが望ましいです。
費用内訳 |
詳細 |
---|---|
登記手数料 |
土地や不動産の所有者を登記簿に記載し、所有権を得るための手数料 |
住宅ローン保証料 |
金融機関が住宅ローン返済のために、信用保証会社からの保証をつけます |
物件検査手数料 |
住宅が、国の建築基準に違反していないか調査するための検査費用 |
仲介手数料 |
仲介業者で注文住宅を建てた場合に支払う手数料 |
印紙税 |
売買契約書と工事請負契約書を作成するための印紙代 |
消費税 |
2014年4月から8%に引き上げられました |
登録免許税 |
不動産取得で登記をしたときにかかる税金。登記手数料とは別に国に支払う |
固定資産税 都市計画税 |
住宅の所有者が毎年支払う地方税 |
不動産取得税 |
不動産を取得した際に、都道府県に支払う都道府県税 |
仮住まい費用 |
家を解体して、引き渡しまでに住むアパートの家賃や光熱費 |
引っ越し・家具購入費 |
完成した家に住むための家具、家電の購入費 |
予備費用 |
想定外の事態が起きた場合に備えての予備費用 |
〈注文住宅に必要な費用の割合〉
本体工事費用 総費用の75~80%
別途費用 本体工事費用の15~20%
諸費用 建築工事費(本体工事費用+別途費用)の5~7%
総費用を3000万円と考えているのであれば、
家にかけられるのお金は2250~2400万円までです。
この金額を超えてしまうと予算オーバーになる可能性が高くなります。
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