腕の良い大工を見分けるポイント

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なぜ腕の良い大工が減少したのか

近年、“腕の良い大工”といわれる職人が減少してきました。
戦後の日本では、戦争で失った家を早く供給するために、
海外の建築技術を取り入れ、
いかに早く家を建てられるかを追求するようになりました。

 

 

現在の一般的な注文住宅を建てるには、
大工としての修行は必要ありません。
修行をしていない人間でも、簡単に家が建てられるようになりました。
これは必要な変化だったと思いますが、
その弊害もでてきたと感じています。

 

 

志の低い人間でも大工としてやっていけるようになったのです。
せっかく建築技術が安定している現在でも、
問題のある家の事例は後を絶ちません。

 

 

家は、完成度が低くても、
建築基準法にさえ引っかからなければ住宅として認可されます。
そのため、「このくらいやっとけば大丈夫」と、
ぎりぎりのラインで仕事をする大工がとても多いのです。

 

 

事前に大工の腕を確認しておきたいところですが、
お客さんが大工の腕の良し悪しを判断するのは難しいです。
私もそうですが、自分にないスキルを持っている人間を
正確に評価することは、なかなかできるものではありません。

 

私のもっている判断基準の中から、特にわかりやすく、
誰にでも実践できるポイントをご紹介いたします。

 

大工の腕はここを見る!

私は、ときどき他社の現場見学会に足を運びます。
見学会で一般のお客さんが家のどこを見ているかというと、
部屋全体の雰囲気を見ている人が多いです。

 

 

部屋の雰囲気やフィーリングで
自分に合っているかどうかを判断することも、
とても大事なポイントなので是非実践してください。
それにプラスして、大工の腕を判断するには、
もう少し細かい部分を見る必要があります。

 

巾木

 

この写真は、
『巾木』という壁と床の交わる箇所についている部材です。
真ん中に隙間があいています。
寸法にすると0.5mmほどの小さな隙間ではありますが、
本来であれば、この隙間はあってはならないものです。

 

 

この巾木を見て、私は「ありえないな~」と思ってしまいました。
造作材の“つき”は、大工が一番気にするべきポイントなのです。
髪の毛一本分の隙間ですら許されません。
おそらくこれを取り付けた本人は失敗に気づいているはずですが、
そのまま放置しています。

 

あるいは、これが彼にとっての最高の仕事なのかもしれませんね。

 

巾木2

 

別の部屋の巾木です。
巾木の切り口を「すり合わせ」しておらず、
入口枠に対してななめに隙間があいています。
部屋全体の雰囲気はきれいに見えても、
これはかなり雑な仕事です。

 

他にも気になる箇所を見つけました。

 

入口枠バリ

 

部屋の入り口枠です。
〇で囲ってある部分に“バリ”があります。
このバリも腕の悪さ、道具の手入れの悪さを物語っています。
工夫することでバリは抑えることができますし、
でたとしても鑿や鉋できれいにしておくのが常識です。

 

 

大工の仕事は、家が完成してしまうと、
その8割以上が壁の中に隠れてしまいます。
造作仕事のように、いつまでも目に見えて残る部分、
こういうところに神経を割けない大工は、
隠れてしまう壁の中では、もっとひどい仕事をしています。

 

 

数年後にボロがでてくる可能性が高いので、
この会社はやめておいた方がよさそうです。

 

きっちりとした仕事がされている例

 

化粧のささら階段

 

施工の難しい、手刻みのささら階段です。
一切の隙間なく、丁寧な仕事をしています。

 

カウンター

 

無垢のカウンターの方立と中段板も、
しっかりと隙間なく組まれています。
見た目もきれいですし使用感も良くなります。

 

楢の窓枠

 

窓枠

 

窓枠と壁板もぴったりと“つき”が良いです。

 

 

造作仕事をきっちりとこなしている大工であれば、
隠れてしまう構造部分でも丁寧な仕事をしています。
腕の良い大工を見分けるには、
造作仕事の“つき”をみましょう!

 

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