注文住宅の完成までの流れを知る②
■理想とする住宅のイメージを伝える時は、今の家を起点にする
漠然としたイメージを持ってはいるが、
その内容を具体的に伝えるのは難しいという時はシンプルに考えましょう。
この家ではこうしたいという希望をたくさん伝えればいいのです。
それは特に難しく考えることはなく、
子供は何人できる予定なのか、
部屋はいくつ必要なのか、
部屋の大きさはどれくらい欲しいのか、
水回りはどの辺りに置くのか、
とにかく今の家を起点にして、現状と比べてこういう生活にしたい
という要望をたくさん伝えましょう。
もう一つは現状の不満を伝えることです。
今の家はこういった難点があるので、
このようにしたいという気持ちを伝えましょう。
その難点を解消できる憧れの家のイメージをどんどん話していけば、
きっと設計を担当する方もそれを汲み取ってくれるはずです。
注文住宅の間取りづくりには基本的な寸法がある
多少専門的な知識になるのですが、
家の間取りにおける基準の寸法をモジュールといいます。
私が携わってきた会社では尺貫法という単位を使っており、
910ミリをモジュールの単位として部屋を形成しています。
例えば畳ならば短い辺が910mm。長い辺が1820ミリです。
基本的に注文住宅はモジュールで家が作られているので、
廊下の幅なども910ミリになります。
ただ最近は尺貫法ではなく、
メートルモジュールや幅広モジュールを使う会社も出てきています。
各社ごとのモジュールで寸法も違ってきます。
住宅の間取り作りの基本はブロック分けとゾーニング
次に間取りづくりで意識をしたいのがブロック分けとゾーニングです。
ブロック分けとは、どこに何を置くのかを決めることです。
そのブロックが重なって間取りになります。方眼紙に生活空間、リビング、居室、水回りなどのブロックを置き、
それを重ねてゾーニングしていきます。
ゾーニングとブロック分けができていると、
生活上の動線や水回りの動線が把握しやすくなります。
逆にこれらがぐちゃぐちゃになっていると
大変住みにくい家になってしまうでしょう。
■大工のひとり言
私の経験談ですが、
ブロック分けとゾーニングをした後に間取りを変更したことがありました。
家の建築中に図面を見ていただくと、
間取りのイメージが思い描いていたものとは違って開放的な家ではない、
と言われたのです。つまりブロック分けとゾーニングが
しっかりと区別されていなかったのです。
しかし、建築中でしたから現場で
実際に間取りを変更するのはかなり困難が伴いました。
ゾーニングがしっかりできていないと、
後々の変更が非常に難しくなります。
完璧に仕上げようと思ってしまうと、
間取りの設計というものはとても時間がかかるものです。
最初から完璧に仕上げないほうが、
後々変更したくなったときに融通が効くでしょう。
家の間取りにおいて、ブロック分けとゾーニングをする時には
以下の4つのポイントを意識してください
- パブリックゾーンとプライベートゾーンを分ける
- 採光性の計画として居室は2面採光にする
- 水回りを集める
- 外観は凹凸のある造りよりも、シンプルな家にする。見た目のバランスも良くなり、強度も高まる
こういった点をきちんと知っておいて設計者に伝えられれば、
理想の家づくりに一歩近づけるでしょう。
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