注文住宅の口コミ・体験談(M様)
- 【工務店・ハウスメーカー】
Mホーム(地元工務店) - 【契約前の予算】
1600万 - 【実際にかかった費用】
1600万 - 【年齢・家族構成】
30代
私、妻36才 子供8才 - 【こだわり】
- 在来構法で檜を使用。
- 廊下を減らし、部屋を広くした。
- 7寸の大黒柱を立てた。
- ニッチをたくさん作った。
- 宅内ランを設置した。
家を建てたい気持ちを後押しした出来事は、
興味本位で建売住宅を家族で見学に行った時、
思ったほど金額が高くなかったことでした。
「これぐらいの価格なら、
注文住宅でも家を建てられるかもしれない」と感じたのでした。
私の住んでいる地域は、四国で決して物価は高くなく、
場所によっては土地も一坪一桁で買えるほどのなのです。
依頼業者の変更
家を建てるなら業者は、地元の工務店と決めていました。
理由は全国展開している大手企業は、
地方でも坪単価が高いイメージがあったからです。
それと、営業担当の移動等がなく、
末永くお付き合いができると思ったからです。
予定通り地元では有名なA工務店に
ネットの問い合わせフォームから連絡をとり、
間取り図を描いてもらうところまで進みました。
この時点ではこの業者に決定しているわけではなく、
最終金額や打ち合わせのやり取りで最終決定するつもりでした。
ある日、打ち合わせをして家を出て行こうとしたとき、
このA工務店の営業の人が尋ねてきたのです。
「うち以外で検討している業者はありますか?」と。
それに対して私は「B工務店です」と答えたのです。
するとその営業の人はB工務店の批判を始めたのです。
私の信用はあっと言う間に失墜しました。
結局そのA工務店とはそれっきりで、一から業者探しを始めました。
但し、念のためB工務店は外しました。
気持ちを改め再スタート
次の業者は確実なものと思い、
地元工務店や大手のハウスメーカー等が参加する
「マイホームフェスタ」と言うイベントに参加し、
そこから業者を選ぶことができればいいと考えました。
そこで出会ったのが、こもだ建総の営業担当のIさんでした。
Iさんに途中まで出来ている間取り図を見せて、
改善して欲しい点をその場で依頼、
本格的にマイホーム作りが再スタートしました。
その後、電話でのやり取りや金額の調整等で
最終的な見積もりが仕上がっていったのでした。
要望を実現しようとするとキリがない
予算は1600万円でした。
しかし、欲しいものを欲しいだけ取り入れようと思うと、
正直キリがありません。
床暖房、太陽光発電は正直欲しかったのですが、
当初の予算を守るため断念しました。
その代わりにこだわったものがあります。
いちばんは「木」へのこだわりです。
在来工法で建てたため、地元で採れた木材を中心に、
檜を取り入れながら建てることが出来たのです。
また、こもだ建総の完成見学会で拝見した
7寸の大黒柱を気に入ったので、取り入れることにしました。
ちなみに和室は真壁の4寸柱で、一階の床は無垢材を使用しました。
予算の都合で2階は普通のフローリングにすることに。
あとは、ニッチを多く設置し飾り棚を増やしたり、
ネット環境を充実したいと思い
パナソニックのまとめてネット(宅内LAN)を設置しました。
なるべく安く済ませるために
照明はほとんどをLEDにしましたが、
ネットで購入したので安くすることができました。
メーカーもとくにこだわらず、金額と明るさ重視で決めました。
例えば、一流メーカーなら2万円を超えるような
高価な照明でも、ネットなら1万円以下で購入できます。
神棚や玄関の姿見等もネットで購入し、
取り付けを大工さんにお願いするような形にしました。
こもだ建総倒産する
支払いは進行状況に応じて4~5回ほどの分けて支払います。
契約時に支払い、二回目に支払い、
三回目を支払おうとした時の早朝父から電話があったのです。
「こもだ建総が倒産したって新聞に載っているけど大丈夫か?」と。
一瞬にして血の気が引きました。
営業担当のIさんには連絡はとれず、
その日は、まるで仕事に身が入りませんでした。
新聞で倒産記事を見た次の日、ようやくIさんと連絡が取れました。
話を聞くと、外回りで仕事を終えて本社に戻るとざわついており、
既に倒産の説明はされていたそうです。
勿論Iさん自身もこの時に倒産の事実を知ったのが初めてで、
ただただ説明を聞くだけだったとの事でした。
倒産後の対応
倒産から10日ほど経過した頃だと思いますが、
Iさんと、同じ営業のIさんの上司が私のところを尋ねてきました。
上司といっても、経営に携わるほどの役ではありません。
すでに解雇されているにも関わらず謝罪をしに来てくれたのです。
こもだ建総のことは赦せない気持ちがありますが、
Iさんとその上司には感謝しております。
普通は倒産し解雇されたらここまでしてくれる人はいません。
音信不通になりそのまま逃げていくのが普通だと思います。
しかし、この2人は
「〇〇さんの家は、最後まで私達が責任をもって建てます」
と言い切ってくれたのです。
不幸中の幸いで三回目の支払いをしていなかったので、
払い損みたいな感じにはなっていませんでした。
工務店が変わり再着工へ
倒産すると『管財人』といって、倒産した会社の財産の全てを
管理する弁護士が裁判所から任命されます。
その管財人とのやり取りがスタートするのです。
管財人に現状を確認しても、
社員の給与や下請け業者への支払いを優先的に行なうため、
建設中の家についてはなんとも言えないと説明を受けたのです。
管財人というのは倒産した側の立場ですので、
被害を受けたこちらに対しての扱いは素っ気無いものでした。
そんな中、Iさんとその上司はD工務店に就職でき、
そちらの社長さんの理解もあって建設途中の家は、
D工務店のほうで引き続き建ててもらえることになったのです。
社長さんとも顔合わせをしましたが、とても誠実そうな方でした。
管財人へはこもだ建総での契約を解除する旨の通達を
「内容証明」という法的に効力のある郵送方法で送付して、
正式にこもだ建総での契約を解除し、D工務店での再着工が進んでいきました。
ちなみに、1600万円のうち、既にこもだ建総に支払った額を
引いた金額で工事を続けてもらえたので、
費用の面で損をすることはありませんでした。
本当にD工務店の社長には感謝です。
信頼して良かった営業のIさん
20代後半の営業のIさんでしたが、
倒産したにも関わらず仕事の枠を超えて
お付き合いをしてくれたことにとても感謝しています。
普通は倒産すると、その時の社員とは連絡が取れなくなると思っています。
そして、既に支払った費用は無駄になり、
再着工の工事会社も自分で探さないといけなかったでしょう。
当然、打ち合わせの間も、何ひとつ手の抜いたような対応をすることはなく、
こちらの疑問や心配事の質問にもしっかり答えてくれたのです。
「家は3回建てないと満足することはできない」と言われます。
しかし、一生に一回新築で建てられるかどうかの出来事です。
限りなく、満足できる家にしたかったです。
間取りも含めて、据付の棚や机(パソコンスペース)、
クロスの組み合わせ、収納スペース等かなり要望を聞き入れてもらい、
希望予算以内に抑えることが出来ました。
家の完成を向かえて
倒産で一時、工事が中止した期間が約2ヶ月程ありました。
しかし、当初の予定通りの設計で完成させることができました。
一番良かった点は、地元の工務店にしたことです。
そうすることにより、地元で生まれ地元で育ったIさんに出会えたのです。
確かに、大手企業は安心感はあるでしょう。
しかし、絶対に倒産しないという保障はどこにもありませんし、
現場で活躍する社員までもがそのような状況を
把握していることはありません。倒産はある日突然やってくるのです。
建設途中の倒産のリスクは書籍等で
知ることはできると思いますが、絶対はないと思います。
会社そのもの信用は大切ですが、
担当してくれる営業の方の人柄、信用はそれ以上に大切だと痛感しました。
現在、新築の家は特にトラブルなく快適に過ごせています。
木にこだわったせいか、旅行等で2、3日家を空けて戻ると、
檜の香りが充満してとても幸せを感じます。