この記事では全館空調システムでおすすめのハウスメーカー15社を一覧表を用いながら、比較します。併せて、ハウスメーカーの全館空調システムを比較するうえで見るべき8のポイントも解説します。大手のハウスメーカーをはじめ、様々な住宅メーカーを比較しているので、全館空調システムを導入した注文住宅を検討している方はぜひ参考にしてください。
ハウスメーカーの全館空調を比較するうえで見るべき8のポイント

ハウスメーカーの全館空調システムを比較するうえで見るべきポイントは以下の8個です。
それぞれについて解説します。
1.初期費用
全館空調システムは、一般的な個別エアコンに比べて初期導入コストが高い傾向があります。設置工事費、配管やダクトの設計費、制御システムや空調機器一式が含まれるほか、家の規模や間取りによって価格幅も大きく変わります。
また、ハウスメーカーによってはグレード別に料金体系が異なったり、標準装備・オプション対応かで費用が変動するため、見積り時に内容を細かく確認しましょう。
2.維持費用
維持費用には主に電気代、フィルターや各種消耗品の交換費用、点検・修理などのメンテナンス費が含まれます。
全館空調システムは家全体の空調を常時稼働させるため、一般的なエアコンよりも電気代が高くなりがちですが、高気密・高断熱住宅であれば省エネ性が高まりコストを抑えられることもあります。
フィルターは半年~1年ごとの交換が推奨される場合が多く、その費用や業者による点検費も比較するポイントです。
3.冷暖房方式
全館空調システムは、主に以下の4つの冷暖房方式に分けられます。
- 天井吹き出し型
- 床下冷暖房型
- 壁掛けエアコン型
- 輻射(無風)型
それぞれに得意・不得意や特徴があるため、住宅の間取りや予算、家族のニーズに合わせて最適な方式を選ぶのがポイントです。それぞれの冷暖房方式について解説します。
1. 天井吹き出し型
天井裏または小屋裏に空調本体を設置し、ダクトを通じて各部屋の天井吹き出し口から冷暖気を送ります。家全体の温度を均一に管理でき、室内にエアコンが目立たずインテリア性も高いのが特徴です。初期費用はやや高めですが、長期間使うほど効率的な方式です。
2. 床下冷暖房型
床下空間に空調機(主にエアコン)を設置し、断熱した基礎部分を通して家全体に暖気・冷気を循環させます。冬は足元からやさしく暖め、夏も冷気が下から上に上昇するため、急激な冷えや温度ムラを軽減できます。冷え性対策にも適し、足元からの快適さを求めるご家庭におすすめです。
3. 壁掛けエアコン型
一般的な壁掛けエアコン(1台~2台)を家の中心に設置し、間仕切りやファン、ダクトを使って空調を家全体に循環させる方式です。コストを抑えやすく、既存住宅へ後付けしやすいのがメリットです。ただし部屋の位置や広さによって温度差が出やすい特徴もあります。
4. 輻射(無風)型
壁や天井、床に専用のパネルや配管を設置し、パネルに流れる冷温水の“輻射熱”で家全体を冷暖房する方式です。直接空気を動かさないため、風が苦手な方や、乾燥・ホコリを避けたい方におすすめです。設備費・施工コストは高めですが、無風で快適、部屋ごとの温度ムラも抑えられます。
4.機能
全館空調システムによっては、部屋ごとの温度設定機能やスケジュール運転の機能を備えているものもあります。
また、全館空調システムは外気を取り込んで換気をするため、特に冬場は室内の空気が乾燥しがちです。全館空調システムには加湿機能が標準装備されているものと、後からオプションで追加できるものがあります。冬場の乾燥や喉への影響を考えると加湿機能はあると安心です。また、加湿の方式(気化式・スチーム式など)や、加湿器への給水の手間、メンテナンスのしやすさも比較ポイントとなります。
全館空調システムはフィルターや電気集じんで空気清浄を行いますが、その空気清浄の性能がどれくらい高いかも注目すべきポイントです。
5.メンテナンスの頻度
全館空調システムは長期間の利用を前提とするため、定期的な点検や消耗品交換が基本となります。フィルターや加湿器のカートリッジ交換、ダクト内の清掃頻度などをご確認ください。メンテナンス契約や点検サービスがしっかりしているか、また自分でできるメンテナンス項目が明確かも吟味してください。
6.保証・サポート
全館空調システムは高額な設備なので、なるべく保証やサポート体制が整っていると安心です。
保証期間は、一般的には1~2年ですが、中には10年保証をつけているハウスメーカーもあります。また、保証期間が終わった後も低価格でメンテナンスができる定期点検制度や、保証期間を延長できるオプションを導入しているハウスメーカーもあります。
エアコンやヒーターなどの冷暖房器具と違い、自分でメンテナンスするのが難しいケースが多いので、安心して任せられるハウスメーカーを選定することが重要です。
7.採用率・採用数
各ハウスメーカーの全館空調システムの採用率(そのハウスメーカーで建てた人の何割が全館空調システムを採用するか)を見ることで、そのハウスメーカーが「どれくらい全館空調システムを推しているのか」「どれくらい全館空調システムに定評があるのか」がわかります。
採用数もそのハウスメーカーが「どれくらい全館空調システムを導入する経験が豊富か」を測る指標になります。
8.住宅自体の気密性・断熱性
全館空調システムの効果を最大限に発揮するためには、住宅そのものの気密性能・断熱性能が高いことが非常に重要です。せっかく高額な費用をかけて全館空調システムを導入しても、熱の出入りが激しく、調整した空気がすぐ外に出ていってしまえば、効果が薄れてしまいます。
住宅自体の気密性や断熱性を判断するには、各ハウスメーカーが公表している断熱等性能等級(断熱等級)やUA値(外皮平均熱貫流率)、C値(相当隙間面積)が参考になります。それぞれについて解説します。
断熱等性能等級(断熱等級)
断熱等性能等級(断熱等級)は、住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)によって定められた、住宅の断熱性を示す指標です。等級は1~7まであり、数字が大きいほど断熱性が高いことを示します。
UA値(外皮平均熱貫流率)
UA値(外皮平均熱貫流率)は、住宅の中から開口部や屋根などを通じて外へ逃げていく熱の量を、家の外皮全体で平均化した値です。UA値が低いほど、断熱性能が優れていることを意味します。
C値(相当隙間面積)
C値(相当隙間面積)とは、住宅の気密性能を表す指標で、住宅全体の隙間面積を延床面積で割った値です。数値が小さいほど隙間が少なく、気密性が高いことを意味します。
全館空調でおすすめのハウスメーカー15社の比較一覧表
「ハウスメーカーの全館空調を比較するうえで見るべき8のポイント」のうち、ほとんどのハウスメーカーが公式サイトで公表していなかった「維持費用」を除いた7つを比較項目として、全館空調システムでおすすめのハウスメーカー15社を比較した一覧表(ハウスメーカー名の五十音順)を作成しました。維持費用はぜひタウンライフ家づくりで各ハウスメーカーに問い合わせ・資料請求をして、調べてください。
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ハウスメーカー名 | 全館空調の名前 | 初期費用 | 冷暖房方式 | 機能 | メンテナンスの頻度 | 保証・サポート | 採用率・採用数 | 住宅自体の気密性・断熱性 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
アエラホーム | エアリア | 150万円~ | 天井吹き出し型 | ■高機能ダブルエアフィルター | 要問合せ | 10年保証 | 要問合せ | ■試算UA値:0.26 ■平均C値:0.35 |
アキュラホーム | 匠空調・S | 約190万円 | 壁掛けエアコン型 | ■部屋ごとの温度設定 ■スケジュール運転 | 要問合せ | 延長保証10年 | 採用率:3割ほど | ■省エネ基準「ZEH」を上回る断熱性能 |
一条工務店 | さらぽか空調 | 1.5万円/坪 | 天井吹き出し型 床下冷暖房型 | ■部屋ごとの温度設定 ■時間ごとの通常運転・セーブ運転の設定 ■デシカントによる湿度調整機能付換気システム | 要問合せ | 要問合せ | 要問合せ | ■断熱性能「最高等級7」に対応可能 ■UA値:0.25 ■C値:0.59 |
住友林業 | エアドリーム ハイブリッド | 約210万円(40坪の場合) | 天井吹き出し型 | ■部屋ごとの温度設定(オプション) ■スケジュール運転 ■エアワッシャー型加湿システム(オプション) ■電子式エアクリーナ | 要問合せ | 10年保証 | 要問合せ | ■UA値:0.46~0.56 |
住友林業 | PRIME AIR | 「エアドリーム ハイブリッド」と比べて2割程度少ない | 壁掛けエアコン型 | ■調湿機能付き換気装置で湿度調整 ■部屋ごとの風量調節 | 要問合せ | 10年保証 | 要問合せ | |
セキスイハイム | 快適エアリー | (1階のみ)約100万円 (2階設置)約50万円 合計150万円程度 | 天井吹き出し型 床下冷暖房型 | ■部屋ごとの温度設定 ■部屋ごとの湿度設定 ■加湿システム(オプション) | ■吸込グリルの掃除:2週間に1回 ■プレフィルターの掃除:3ヶ月に1回 ■フィルターの交換:5年に1回 | 10年保証 | ■採用率:50%以上 ■採用数:20,000棟以上(2021年時点)(2009年発売開始) | ■「断熱等性能等級6」標準 ■UA値:0.46 ■C値:0.99~2.0 |
積水ハウス | エアシーズン | 200~300万円 | 天井吹き出し型 | ■除湿・加湿 | 要問合せ | 要問合せ | 要問合せ | ■「断熱等性能等級5」標準 |
ダイワハウス | エアヒーリング | 約160万円 | 天井吹き出し型 | ■部屋ごとの温度設定 ■HEPAフィルター ■吸着性光触媒コーティング | 要問合せ | 10年保証 | 要問合せ | ■「断熱等性能等級6」標準 |
トヨタホーム | Smart Airs PLUS | 100〜250万円 | 天井吹き出し型 床下冷暖房型 | ■フロア(1階・2階)ごとの温度設定 ■除湿・加湿(オプション) | ■フィルター・床吹き出し口の掃除:半月に1回 ■加湿機能(オプション)の定期メンテナンス:年1回 ■フィルターの交換:2年に1回 ■加湿エレメント(オプション)の交換:3年に1回 | 10年保証 保証期間内であれば無料で修理 ※エスパシオ、シンセシリーズ、LQが保証適用 | ■採用率:約70% ■採用数:5,000台突破(2018年末時点)(2012年発売開始) | ■「断熱等性能等級6」対応可能 |
パナソニックホームズ | エアロハス | 約250万円 | 天井吹き出し型 | ■部屋ごとに家全体の基準温度に対して±2段階(≒2℃)の範囲で調整可能 ■各室の温度センサーの情報を基に、空調の風量をコントロール ■スケジュール運転 ■自動セーブ運転 ■おでかけモード ■HEPAフィルター | ■フィルターの掃除:6ヶ月に1回 ■HEPAフィルターの交換:5年に1回 | 2年保証 保守点検契約(別途費用)などは必要なし | ■採用率:約50%(2022年2月時点) ■採用数:4,013棟(2022年3月末時点) | ■「断熱等性能等級6」対応可能 ■UA値:0.6 |
桧家住宅 | Z空調 | 100~150万円 | 天井吹き出し型 | ■フロア(1階・2階)ごとの温度設定 ■特殊な方法で電気を帯びさせた不織布で空気を清浄 ■極楽加湿との併用をオススメ | ■室内機フィルター:2週間に1回掃除 ■ルームガラリ:室内清掃の際に都度掃除 ■エアフィルター・防虫ネット:1ヶ月に1回掃除 ■屋外吸排気口:半年に1回掃除 ■高性能フィルター:6ヶ月に1回 | 10年保証 | ■採用率:約95% ■採用数:30,000棟(2025年7月時点)(2016年12月発売開始) | ■断熱等性能等級5以上 ■UA値:0.25~0.6 ■実測平均C値:0.4 |
ヘーベルハウス | ロングライフ全館空調 | 要問合せ | 天井吹き出し型 | ■フロアごとの温度設定 ■湿度調整(オプション) | 要問合せ | 10年保証 | 要問合せ | ■断熱等性能等級6 ■UA値:0.46以下 |
ミサワホーム | パラディア | 要問合せ | 天井吹き出し型 | 要問合せ | 要問合せ | 10年保証 | 要問合せ | ■UA値:0.39~0.51 |
ミサワホーム | コモンズエア | 要問合せ | 壁掛けエアコン型 | 要問合せ | 要問合せ | 10年保証 | 要問合せ | |
三井ホーム | スマートブリーズ・エース | 約220万円 | 天井吹き出し型 | ■部屋別温度調整 ■遠隔操作可能(オプション) ■スケジュール運転 ■加湿 ■プラズマクラスター機能(オプション) | ■リターングリルフィルターの掃除:月に1回 ■粗塵防虫フィルターの掃除:3ヶ月に1回 ■搬送ファンフィルターの掃除:1年に1回 ■ルームエアコンのダストボックスのゴミ捨て:10年に1回 ■給気清浄フィルター交換:2年に1回 | 10年保証料:税込88,000 円 | ■採用率:約60%(2018年〜2019年) ■累計35,000台(2022年8月時点)(1974年の創業時から) | ■「断熱等性能等級7」対応可能 ■UA値:0.39 |
三井ホーム | スマートブリーズ・プラス | 約220万円 | 天井吹き出し型 | ■部屋別風量調整(オプション) ■遠隔操作可能(オプション) ■スケジュール運転 ■加湿 ■活性炭脱臭フィルター ■電子式空気清浄ユニット | ||||
三井ホーム | スマートブリーズ・ワン | 約140万円 | 壁掛けエアコン型 | ■部屋別風量調整 ■遠隔操作可能(オプション) ■スケジュール運転 | ||||
三菱地所ホーム | エアロテック | 約350万円 標準仕様 | 天井吹き出し型 | ■部屋ごとの温度設定 ■冷房、除湿自動切替機能 | ■空気清浄フィルター掃除:2週間に1回程度 | ■最大10年間の保証システム ■当初5年間の点検パック | ■標準仕様 ■採用率:約96%(2022年時点) | 要問合せ |
ヤマト住建 | YUCACOシステム | 130~200万円 | 壁掛けエアコン型 | ■加湿(オプション) | 【給気清浄フィルターユニット】 ■粗塵防虫フィルター掃除:3ヶ月に1回 ■給気清浄フィルター掃除:1年に1回 【排気グリル】 ■ルーバーの掃除:1ヶ月に1回 ■フィルターの掃除:3ヶ月に1回 【空調室】 ■送風ファン:1年に1回 ■ルーバー表面の手入れ:1ヶ月に1回 | 10年保証 | 要問合せ | ■UA値:0.27 ■平均C値:0.29 |
※各項目の内容はプランによって異なることがあります。
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全館空調でおすすめのハウスメーカー15社の詳細を比較!
全館空調システムでおすすめのハウスメーカー15社それぞれの全館空調システムの特徴・強みの詳細を解説します。
アエラホーム(エアリア)

初期費用 | 150万円~ |
冷暖房方式 | 天井吹き出し型 |
機能 | ■高機能ダブルエアフィルター |
メンテナンスの頻度 | 要問合せ |
保証・サポート | 10年保証 |
採用率・採用数 | 要問合せ |
住宅自体の気密性・断熱性 | ■試算UA値:0.26 ■平均C値:0.35 |
※各項目の内容はプランによって異なることがあります。
参考:アエラホーム公式サイト
アエラホームの全館空調換気システム「エアリア」は、家全体を冷暖房しながら新鮮な空気を循環させることで、室温をほぼ一定に保てるシステムです。高気密・高断熱な家づくりと組み合わせることで、外気の影響を受けにくく、廊下・トイレ・脱衣室まで快適な温度に維持でき、ヒートショックや熱中症など温度差による健康リスクの軽減に寄与します。
エアリアは高性能ダブルフィルターを採用し、外気中の花粉・PM2.5・ウイルスなども大幅にカットします。さらに、IoT連携にも対応し、スマホや音声操作による家電管理も可能です。
導入費用は約100~150万円からと他社より比較的低価格で、電気代などのランニングコストも抑えやすい点が特徴です。2020年度にはキッズデザイン賞も受賞しています。
アキュラホーム(匠空調・S)

初期費用 | 約190万円 |
冷暖房方式 | 壁掛けエアコン型 |
機能 | ■部屋ごとの温度設定 ■スケジュール運転 |
メンテナンスの頻度 | 要問合せ |
保証・サポート | 延長保証10年 |
採用率・採用数 | 採用率:3割ほど |
住宅自体の気密性・断熱性 | ■省エネ基準「ZEH」を上回る断熱性能 |
※各項目の内容はプランによって異なることがあります。
参考:アキュラホーム公式サイト
アキュラホームの全館空調システム「匠空調・S」は、エアコン1台で家全体を一年中快適な温度に保つオリジナル空調システムです。高い断熱性・気密性を活かし、各部屋はもちろん、トイレや廊下まで温度ムラなく管理できるのが特徴です。
床付近から暖気を吹き出す設計で冬も足元から暖かく、夏は天井から冷房し効率的に冷やせます。光熱費は一般住宅とほぼ同等で、省エネ基準「ZEH」にも対応する性能です。
24時間運転でも追加の暖房器具を使わず快適で、見た目もスッキリとした住空間が実現します。除湿機能付きで湿気対策にも有効です。保証は最大10年まで延長が可能です。導入費用は延床40坪の場合で約220万円程度が目安です。
一条工務店(さらぽか空調)

初期費用 | 1.5万円/坪 |
冷暖房方式 | 天井吹き出し型 床下冷暖房型 |
機能 | ■部屋ごとの温度設定 ■時間ごとの通常運転・セーブ運転の設定 ■デシカントによる湿度調整機能付換気システム |
メンテナンスの頻度 | 要問合せ |
保証・サポート | 要問合せ |
採用率・採用数 | 要問合せ |
住宅自体の気密性・断熱性 | ■断熱性能「最高等級7」に対応可能 ■UA値:0.25 ■C値:0.59 |
※各項目の内容はプランによって異なることがあります。
参考:一条工務店公式サイト
一条工務店の全館空調システム「さらぽか空調」は、床冷房とデシカント方式の除湿換気を組み合わせたオリジナルの全館空調システムです。
夏は床下に冷水を循環させて床そのものを涼しく保ち、同時にデシカント換気で湿度を下げて爽やかな室内を実現します。冬は床暖房で足元から家全体をぽかぽかに保ち、温度ムラが少なく、ヒートショックや熱中症のリスクを軽減できます。高気密・高断熱の住宅性能と相まって、省エネ性にも優れています。
花粉やPM2.5対策も備えた高性能フィルターで室内空気も清潔に維持します。トイレや脱衣所、お風呂場も温度差がほとんどなく、快適性が高いのが特徴です。間取り設計の自由度も高まり、エアコン設置スペースなどに制約されません。ランニングコストも抑えやすく、ZEH補助金の対象となるケースもあります。2016年の発売以来、累計で約6万棟以上の導入実績を持つ人気の全館空調システムです。
住友林業

住友林業の全館空調システムには「エアドリーム ハイブリッド」と「PRIME AIR」の2つがあります。それぞれについて解説します。
エアドリーム ハイブリッド
初期費用 | 約210万円(40坪の場合) |
冷暖房方式 | 天井吹き出し型 |
機能 | ■部屋ごとの温度設定(オプション) ■スケジュール運転 ■エアワッシャー型加湿システム(オプション) ■電子式エアクリーナ |
メンテナンスの頻度 | 要問合せ |
保証・サポート | 10年保証 |
採用率・採用数 | 要問合せ |
住宅自体の気密性・断熱性 | ■UA値:0.46~0.56 |
※各項目の内容はプランによって異なることがあります。
参考:住友林業公式サイト
住友林業の「エアドリーム ハイブリッド」は、全館空調システムに“外気冷房”という自然の力をプラスしたハイブリッド型の全館空調システムです。
冷房・暖房・空気清浄・換気機能を備えつつ、外気が心地よいときは外の空気を取り込む仕組みにより、1年中快適な室温と室内空気環境を実現します。天井裏などに設置された専用空調機器により家中を緩やかに空調し、廊下やトイレ、洗面所も快適温度に保ちます。木の質感を活かせるため自由な間取り設計にも対応しやすいのが特徴です。
一方、導入コストや維持費がやや高めである点や、標準仕様ではないため初期費用の事前確認が重要です。
PRIME AIR
初期費用 | 「エアドリーム ハイブリッド」と比べて2割程度少ない |
冷暖房方式 | 壁掛けエアコン型 |
機能 | ■調湿機能付き換気装置で湿度調整 ■部屋ごとの風量調節 |
メンテナンスの頻度 | 要問合せ |
保証・サポート | 10年保証 |
採用率・採用数 | 要問合せ |
住宅自体の気密性・断熱性 | ■UA値:0.46~0.56 |
※各項目の内容はプランによって異なることがあります。
参考:住友林業公式サイト
「PRIME AIR(プライムエア)」は2025年5月に登場した住友林業の最新全館空調システムです。
1台のルームエアコンと調湿機能付き換気装置によって、家全体の冷暖房と換気、そして湿度調節まで管理できます。部屋ごとに風量調整(5段階)が可能で、家族で暑さ寒さの感覚が違っても個別の快適さを実現できます。
従来型より初期費用が約2割安く、電気代も約4割削減できる設計です。メンテナンス性に優れ、空調機器のアクセスがしやすくなったのも特長です。高性能断熱との組み合わせで省エネ性も高いシステムです。
セキスイハイム(快適エアリー)

初期費用 | (1階のみ)約100万円 (2階設置)約50万円 合計150万円程度 |
冷暖房方式 | 天井吹き出し型 床下冷暖房型 |
機能 | ■部屋ごとの温度設定 ■部屋ごとの湿度設定 ■加湿システム(オプション) |
メンテナンスの頻度 | ■吸込グリルの掃除:2週間に1回 ■プレフィルターの掃除:3ヶ月に1回 ■フィルターの交換:5年に1回 |
保証・サポート | 10年保証 |
採用率・採用数 | ■採用率:50%以上 ■採用数:20,000棟以上(2021年時点)(2009年発売開始) |
住宅自体の気密性・断熱性 | ■「断熱等性能等級6」標準 ■UA値:0.46 ■C値:0.99~2.0 |
※各項目の内容はプランによって異なることがあります。
参考:セキスイハイム公式サイト
セキスイハイムの全館空調システム「快適エアリー」は、床下に冷暖房・除湿ユニットを設置し、床下の大空間から空気を送り出して家全体を快適な温度に保つシステムです。
床下から暖気を供給するため、家の隅々や廊下、浴室など暖まりにくい場所でも温度ムラを抑え、上下の温度差や時間による温度変化も軽減します。これによりヒートショックや熱中症のリスクが低減されるため、高齢者や幼児、ペットがいる家庭におすすめです。
また、高性能な三層フィルターを採用し、花粉やPM2.5、ウイルスなどの微細な有害物質を約99.97%除去し、家の中の空気を清浄に保ちます。換気システムは熱交換性能が高く、外気の熱エネルギーを回収するため省エネ性にも優れています。
冷暖房・換気・除湿を一体的に管理し、どの部屋も快適な環境を提供します。導入実績も多く、新築住宅を中心に多数の施工例があります。
積水ハウス(エアシーズン)

初期費用 | 200~300万円 |
冷暖房方式 | 天井吹き出し型 |
機能 | ■除湿・加湿 |
メンテナンスの頻度 | 要問合せ |
保証・サポート | 要問合せ |
採用率・採用数 | 要問合せ |
住宅自体の気密性・断熱性 | ■「断熱等性能等級5」標準 |
※各項目の内容はプランによって異なることがあります。
参考:積水ハウス公式サイト
積水ハウスの全館空調システム「エアシーズン」は、冷暖房・換気・加湿・除湿の4つの機能を備え、24時間365日、住宅全体の温度を快適に保つことが特徴です。
家の内部の温度差を抑えて、ヒートショックのリスクを軽減し、吹き抜けや大空間の開放的な間取りでも均一な室温管理を可能にします。外気中の花粉やほこりなどもフィルターで除去し、きれいな空気環境を維持します。
ただし、加湿機能は弱めで、乾燥が気になる場合は別途加湿器の設置がおすすめされます。電気代は他社の省エネ型全館空調システムと比べて特に安くはならない傾向があります。また、換気については熱交換機能はなく、積水ハウスの独自換気システム「アメニティ換気システム」と組み合わせて補っています。
設置は室内の専用機械室が必要で約0.5畳分のスペースを使うため、屋根裏や基礎下設置に比べると場所をとる点がデメリットです。初期費用は約200万円程度で、保証期間は5年間と他社より短めです。積水ハウスは全館空調システムにあまり力を入れておらず、木造住宅では推奨されていません。鉄骨住宅で冬場の寒さ対策として検討されるケースが多いです。
ダイワハウス(エアヒーリング)

初期費用 | 約160万円 |
冷暖房方式 | 天井吹き出し型 |
機能 | ■部屋ごとの温度設定 ■HEPAフィルター ■吸着性光触媒コーティング |
メンテナンスの頻度 | 要問合せ |
保証・サポート | 10年保証 |
採用率・採用数 | 要問合せ |
住宅自体の気密性・断熱性 | ■「断熱等性能等級6」標準 |
※各項目の内容はプランによって異なることがあります。
参考:ダイワハウス公式サイト
ダイワハウスの全館空調システム「エアヒーリング」は、高効率ルームエアコン1台で住宅全体の空調を行うシステムです。
エアコンで温度調節した空気を送風ファンで各部屋へ送り、家中を快適な温度に保ちます。各部屋ごとに温度調整ができ、自分に合った室温設定が可能です。室内の空気にはHEPAフィルターが使われており、花粉やハウスダスト、PM2.5などの微細な有害物質を99.97%以上除去することで空気環境も清潔に維持できます。
また、24時間365日運転しても省エネ基準を満たし、年間の光熱費は通常のルームエアコンとほぼ同等で経済的です。温度バリアフリーを実現し、廊下や脱衣室も含めた家中の温度ムラをなくしてヒートショックや熱中症のリスクを軽減します。断熱・気密性能の高い住宅との相性も良く、省エネと快適性を両立しています。
初期費用が比較的抑えられ、省エネで清潔な空気環境を求める方におすすめの全館空調システムです。
トヨタホーム(Smart Airs PLUS)

初期費用 | 100〜250万円 |
冷暖房方式 | 天井吹き出し型 床下冷暖房型 |
機能 | ■フロア(1階・2階)ごとの温度設定 ■除湿・加湿(オプション) |
メンテナンスの頻度 | ■フィルター・床吹き出し口の掃除:半月に1回 ■加湿機能(オプション)の定期メンテナンス:年1回 ■フィルターの交換:2年に1回 ■加湿エレメント(オプション)の交換:3年に1回 |
保証・サポート | 10年保証 保証期間内であれば無料で修理 ※エスパシオ、シンセシリーズ、LQが保証適用 |
採用率・採用数 | ■採用率:約70% ■採用数:5,000台突破(2018年末時点)(2012年発売開始) |
住宅自体の気密性・断熱性 | ■「断熱等性能等級6」対応可能 |
※各項目の内容はプランによって異なることがあります。
参考:トヨタホーム公式サイト
トヨタホームの全館空調システム「Smart Airs PLUS」は、24時間365日家中の温度ムラを±1℃以内に抑えることを目指した全館空調システムです。
特に特徴的なのは、基礎断熱を取り入れた「床冷暖」という新発想で、床下からの快適な温度管理を実現し、冬は足元から暖かく夏は涼しく過ごせます。これによりヒートショックのリスク軽減や室内の温度差をほとんどなくします。
システムは1階と2階で空調機器を分けて設置し、それぞれ独立稼働が可能なため、使用していない階の空調を停止でき、省エネ効果が向上します。花粉やPM2.5を除去する高性能フィルターを搭載し、清潔な空気環境も維持します。吹き抜けや広い空間でも均一な室温が保たれ、ドアや仕切りのない自由な間取りでも快適です。
加湿機能はオプションとして対応し、年1回の定期メンテナンスや加湿エレメントの交換が必要です。清掃も簡単でカビ発生が抑えられ、設備には10年の保証が付いています。全館空調システムの快適性と省エネを両立させたい家庭におすすめです。
パナソニックホームズ(エアロハス)

初期費用 | 約250万円 |
冷暖房方式 | 天井吹き出し型 |
機能 | ■部屋ごとに家全体の基準温度に対して±2段階(≒2℃)の範囲で調整可能 ■各室の温度センサーの情報を基に、空調の風量をコントロール ■スケジュール運転 ■自動セーブ運転 ■おでかけモード ■HEPAフィルター |
メンテナンスの頻度 | ■フィルターの掃除:6ヶ月に1回 ■HEPAフィルターの交換:5年に1回 |
保証・サポート | 2年保証 保守点検契約(別途費用)などは必要なし |
採用率・採用数 | ■採用率:約50%(2022年2月時点) ■採用数:4,013棟(2022年3月末時点) |
住宅自体の気密性・断熱性 | ■「断熱等性能等級6」対応可能 ■UA値:0.6 |
※各項目の内容はプランによって異なることがあります。
参考:パナソニックホームズ公式サイト
パナソニックホームズの全館空調システム「エアロハス」は、専用エアコン1台で居室はもちろん廊下や洗面室などの非居室も含めて換気・空調を行い、年間を通じて家全体を快適な温度に保ちます。
各室には温度センサーを設置し、室温の変化に応じて風量を自動調整する機能があり、部屋ごとに風量や温度のコントロールが可能です。そのため、家族一人ひとりの好みや各部屋の使用状況に合わせた快適さを実現します。
エアロハスは空気の浄化能力も高く、0.3μmの微小粒子を99.97%除去するHEPAフィルターを備えています。花粉やPM2.5、ウイルスなどの微細な有害物質をしっかり除去するため、清潔な空気環境を維持できます。さらに、外気を床下空間に通して取り入れることで、花粉などの大きな粒子は沈降作用で下に落ちるため、身体にやさしい空気を室内に取り込むことができます。
1年中「つけっぱなし」運転が基本で、温度ムラを抑えた快適な暮らしを提供しつつ、地熱利用や高断熱住宅との組み合わせで電気代も抑えられます。利便性の高いスマート操作やメンテナンスのしやすさも特徴です。人体への優しさと省エネ性を両立した先進的な全館空調システムです。
桧家住宅(Z空調)

初期費用 | 100~150万円 |
冷暖房方式 | 天井吹き出し型 |
機能 | ■フロア(1階・2階)ごとの温度設定 ■特殊な方法で電気を帯びさせた不織布で空気を清浄 ■極楽加湿との併用をオススメ |
メンテナンスの頻度 | ■室内機フィルター:2週間に1回掃除 ■ルームガラリ:室内清掃の際に都度掃除 ■エアフィルター・防虫ネット:1ヶ月に1回掃除 ■屋外吸排気口:半年に1回掃除 ■高性能フィルター:6ヶ月に1回 |
保証・サポート | 10年保証 |
採用率・採用数 | ■採用率:約95% ■採用数:30,000棟(2025年7月時点)(2016年12月発売開始) |
住宅自体の気密性・断熱性 | ■断熱等性能等級5以上 ■UA値:0.25~0.6 ■実測平均C値:0.4 |
※各項目の内容はプランによって異なることがあります。
参考:桧家住宅公式サイト
桧家住宅の全館空調システム「Z空調」は、高気密・高断熱の住宅性能を活かし、家のどこにいても年間を通じて快適な温度環境を保つシステムです。
ダイキン製の大型天井埋め込み型エアコンを導入し、吹き出し口の角度を季節に応じて変えることで、夏は天井からの涼しい風、冬は足元から暖かい空気を効率的に届けます。また、全熱交換式第1種換気システム「ココチE」を採用し、外気の花粉やほこりを99%以上除去しながら、省エネで新鮮な空気を24時間給排気します。
ヒートショックや熱中症のリスクを抑え、健康的で快適な住環境を作ります。電気代も実証実験で、一般的な住宅より24時間稼働しても安く済む結果が示されています。導入コストは約111万円と全館空調システムとしてはリーズナブルで、機器設置の工夫によるコスト削減も進められています。これらの特徴により、「快適」「健康」「経済的」な全館空調システムとして人気を集めています。
ヘーベルハウス(ロングライフ全館空調)

初期費用 | 要問合せ |
冷暖房方式 | 天井吹き出し型 |
機能 | ■フロアごとの温度設定 ■湿度調整(オプション) |
メンテナンスの頻度 | 要問合せ |
保証・サポート | 10年保証 |
採用率・採用数 | 要問合せ |
住宅自体の気密性・断熱性 | ■断熱等性能等級6 ■UA値:0.46以下 |
※各項目の内容はプランによって異なることがあります。
参考:ヘーベルハウス公式サイト
ヘーベルハウスの全館空調システム「ロングライフ全館空調」は、家全体を均一な温度に保つことで快適な室内環境を提供します。
特徴的なのは、従来のような専用の機械室が不要で、天井埋め込み型エアコンを活用するため、設置スペースが小さくて済み、室内の美観を損なわない点です。各階ごとに温度設定が可能で、吹き出しユニット内のファンにより風量や温度を細かく調整できます。
健康面では、花粉やPM2.5などの有害物質を除去する高性能フィルターを装備し、アレルギー対策に優れています。換気と同時に湿度もコントロールでき、多湿によるカビの発生や乾燥を防ぎ、快適で健康的な空気環境を実現します。特にシニア層のヒートショック予防にも効果的です。
また、断熱材の「ネオマフォーム」を使用したダクト構造により、熱損失を抑えながら省エネ化を図っています。オプションでデシカント式換気システムを選べ、年中快適な湿度管理が可能です。ランニングコストも抑えられ、効率的な全館空調システムを目指しています。
ミサワホーム

参考:ミサワホーム公式サイト
ミサワホームの全館空調システムには「パラディア」と「コモンズエア」の2つがあります。それぞれについて解説します。
パラディア
初期費用 | 要問合せ |
冷暖房方式 | 天井吹き出し型 |
機能 | 要問合せ |
メンテナンスの頻度 | 要問合せ |
保証・サポート | 10年保証 |
採用率・採用数 | 要問合せ |
住宅自体の気密性・断熱性 | ■UA値:0.39~0.51 |
※各項目の内容はプランによって異なることがあります。
「パラディア」は、1台の空調機で家中の温度と湿度を統一的に調整する全館空調システムです。
居室間や上下階の温度差を緩和し、家全体をまるで一つの部屋のように快適な温度に保ちます。吹き抜けやリビング階段など階層がつながる間取りでも冷暖房ロスを抑え、ヒートショックや体調不良のリスクを軽減します。
室内機は目立たず、フィルターは機械室内の1箇所だけなので清掃も簡単です。熱交換によって室内の湿度も安定的に管理されます。
コモンズエア
初期費用 | 要問合せ |
冷暖房方式 | 壁掛けエアコン型 |
機能 | 要問合せ |
メンテナンスの頻度 | 要問合せ |
保証・サポート | 10年保証 |
採用率・採用数 | 要問合せ |
住宅自体の気密性・断熱性 | ■UA値:0.39~0.51 |
※各項目の内容はプランによって異なることがあります。
「コモンズエア」は、複数のエアコンをまとめて一元管理するシステムです。
複数台の機器で効率よく空調を制御し、フロアごとの温度調整やゾーン管理が可能です。ミサワホーム独自の「フロアセントラル換気システムA7型」も組み合わせることで、住まい全体の換気を効率的に行い、衛生的な空気環境を目指します。
パラディアより部分的なカスタマイズ性やコントロールの柔軟性に優れる点が特徴です。
三井ホーム(スマートブリーズ)

参考:三井ホーム公式サイト
三井ホームの全館空調システム「スマートブリーズ」は、24時間365日、家中の空気を循環させながら快適な温度と湿度を一定に保つシステムです。
高断熱・高気密住宅と組み合わせることで、廊下やトイレなど家の隅々まで温度差の少ない快適環境を実現します。花粉やPM2.5など微細な粒子も約90%カットし、加湿機能によって冬の乾燥を防ぎ、インフルエンザウイルスの生存率低減やカビ・ダニの繁殖抑制にも寄与します。温度ムラが少ないため、ヒートショックのリスクも軽減できます。スケジュール運転機能で時間帯ごとの温湿度調整が可能で省エネも実現します。
「スマートブリーズ」には「スマートブリーズ・エース」と「スマートブリーズ・プラス」、「スマートブリーズ・ワン」の3つがあります。それぞれについて解説します。
スマートブリーズ・エース
初期費用 | 約220万円 |
冷暖房方式 | 天井吹き出し型 |
機能 | ■部屋別温度調整 ■遠隔操作可能(オプション) ■スケジュール運転 ■加湿 ■プラズマクラスター機能(オプション) |
メンテナンスの頻度 | ■リターングリルフィルターの掃除:月に1回 ■粗塵防虫フィルターの掃除:3ヶ月に1回 ■搬送ファンフィルターの掃除:1年に1回 ■ルームエアコンのダストボックスのゴミ捨て:10年に1回 ■給気清浄フィルター交換:2年に1回 |
保証・サポート | 10年保証料:税込88,000 円 |
採用率・採用数 | ■採用率:約60%(2018年〜2019年) ■累計35,000台(2022年8月時点)(1974年の創業時から) |
住宅自体の気密性・断熱性 | ■「断熱等性能等級7」対応可能 ■UA値:0.39 |
※各項目の内容はプランによって異なることがあります。
冷暖房、除湿、換気、空気清浄、加湿機能を標準で備えています。各部屋ごとに温度設定が可能なため、家族の生活スタイルに合わせた細かな温度管理ができます。脱臭機能は一部搭載です。坪数に制限はなく、広い住宅にも対応可能です。
スマートブリーズ・プラス
初期費用 | 約220万円 |
冷暖房方式 | 天井吹き出し型 |
機能 | ■部屋別風量調整(オプション) ■遠隔操作可能(オプション) ■スケジュール運転 ■加湿 ■活性炭脱臭フィルター ■電子式空気清浄ユニット |
メンテナンスの頻度 | ■リターングリルフィルターの掃除:月に1回 ■粗塵防虫フィルターの掃除:3ヶ月に1回 ■搬送ファンフィルターの掃除:1年に1回 ■ルームエアコンのダストボックスのゴミ捨て:10年に1回 ■給気清浄フィルター交換:2年に1回 |
保証・サポート | 10年保証料:税込88,000 円 |
採用率・採用数 | ■採用率:約60%(2018年〜2019年) ■累計35,000台(2022年8月時点)(1974年の創業時から) |
住宅自体の気密性・断熱性 | ■「断熱等性能等級7」対応可能 ■UA値:0.39 |
※各項目の内容はプランによって異なることがあります。
エースの機能に加えて、脱臭機能がフル装備されています。さらに、オプションで各部屋ごとの風量調整が可能となっており、きめ細かい空調コントロールが行えます。こちらも坪数制限はなく、より柔軟な空調制御が求められる住宅におすすめです。
スマートブリーズ・ワン
初期費用 | 約140万円 |
冷暖房方式 | 壁掛けエアコン型 |
機能 | ■部屋別風量調整 ■遠隔操作可能(オプション) ■スケジュール運転 |
メンテナンスの頻度 | ■リターングリルフィルターの掃除:月に1回 ■粗塵防虫フィルターの掃除:3ヶ月に1回 ■搬送ファンフィルターの掃除:1年に1回 ■ルームエアコンのダストボックスのゴミ捨て:10年に1回 ■給気清浄フィルター交換:2年に1回 |
保証・サポート | 10年保証料:税込88,000 円 |
採用率・採用数 | ■採用率:約60%(2018年〜2019年) ■累計35,000台(2022年8月時点)(1974年の創業時から) |
住宅自体の気密性・断熱性 | ■「断熱等性能等級7」対応可能 ■UA値:0.39 |
※各項目の内容はプランによって異なることがあります。
こちらは45坪以下の比較的小規模住宅をターゲットにしたモデルで、加湿と脱臭機能は搭載していません。ただし、標準仕様で各部屋の風量調整はでき、省エネ性とコストパフォーマンスに優れたシステムです。規模や予算に応じたシンプルかつ効率的な全館空調システムを求める方におすすめです。
三菱地所ホーム(エアロテック)

初期費用 | 約350万円 標準仕様 |
冷暖房方式 | 天井吹き出し型 |
機能 | ■部屋ごとの温度設定 ■冷房、除湿自動切替機能 |
メンテナンスの頻度 | ■空気清浄フィルター掃除:2週間に1回程度 |
保証・サポート | ■最大10年間の保証システム ■当初5年間の点検パック |
採用率・採用数 | ■標準仕様 ■採用率:約96%(2022年時点) |
住宅自体の気密性・断熱性 | 要問合せ |
※各項目の内容はプランによって異なることがあります。
参考:三菱地所ホーム公式サイト
三菱地所ホームの全館空調システム「エアロテック」は、家中の空気を24時間365日、快適な温度と清潔さで満たすことができるシステムです。
特に大きな特徴は、部屋ごとに温度調整が可能なことにあり、暑がりの人や寒がりの人、それぞれに合わせて快適な室温を実現できます。また、空調と換気を同時に行うため、花粉やカビの胞子も97%カットでき、クリーンな空気環境を保てます。
エアロテックは高性能なヒートポンプ方式を採用しており、業界トップクラスの省エネ性能(COP4.43)を誇っています。そのため、24時間稼働しても年間の冷暖房費が一般的な個別エアコン住宅に比べ約3割も節約可能です。
心臓部の機械は畳半分程度のコンパクトサイズで、室内の設置スペースも最小限に抑えられています。各部屋には小型室内機とコントローラーが設置され、部屋ごとの操作も簡単に行えます。
メンテナンスはフィルターを1~2週間に1回掃除機で掃除するだけで、日常の手入れが簡単です。保証は10年の長期保証に加え、年間1回の無償点検も受けられます。戸建てだけでなくマンションのリフォームにも対応可能で、高断熱・高気密住宅との相性も良い全館空調システムです。間取りや生活スタイルに柔軟に適応し、健康で快適な住環境を幅広く提供しています。
ヤマト住建(YUCACOシステム)

初期費用 | 130~200万円 |
冷暖房方式 | 壁掛けエアコン型 |
機能 | ■加湿(オプション) |
メンテナンスの頻度 | 【給気清浄フィルターユニット】 ■粗塵防虫フィルター掃除:3ヶ月に1回 ■給気清浄フィルター掃除:1年に1回 【排気グリル】 ■ルーバーの掃除:1ヶ月に1回 ■フィルターの掃除:3ヶ月に1回 【空調室】 ■送風ファン:1年に1回 ■ルーバー表面の手入れ:1ヶ月に1回 |
保証・サポート | 10年保証 |
採用率・採用数 | 要問合せ |
住宅自体の気密性・断熱性 | ■UA値:0.27 ■平均C値:0.29 |
※各項目の内容はプランによって異なることがあります。
参考:ヤマト住建公式サイト
ヤマト住建の全館空調システム「YUCACOシステム」は、1台のルームエアコンと全熱交換機を組み合わせて、家中を均一な温度に保つ省エネルギー型システムです。高気密・高断熱住宅「エネージュ」との相性が良く、夏は涼しく冬は暖かく保ち、ヒートショックや熱中症のリスクを軽減します。
このシステムでは、床下空間を利用して適温の空気を家中に循環させるため、リビングや寝室はもちろん、廊下やトイレ、浴室なども快適な温度に保てます。高性能フィルターにより、花粉やホコリ、PM2.5、ウイルスなどの有害物質をしっかり除去し、清潔な空気環境を実現します。アレルギー体質の方や小さな子ども、高齢者のいる家庭でも安心して利用できます。
省エネ性能も高く、従来の個別エアコン設置に比べ電気代を約20〜30%削減可能で、初期費用やランニングコストを抑えられます。メンテナンスもシンプルな構造で手間がかからず、長期間安定稼働が期待できます。抗菌加工された床下材料によりカビの発生も抑制され、家の構造へのダメージを軽減する工夫もあります。
「YUCACOシステム」は快適性、空気の清潔さ、省エネ性を3つの柱に、健康で経済的な暮らしを提供する全館空調システムです。
全館空調システムとは?
全館空調システムとは、住宅全体を効率的に冷暖房するための空調システムのことです。全館空調システムは、家のすべての部屋の温度を一括して管理するもので、個別にエアコンを設置するのではなく、1つの空調機器または複数の機器が連携して運転します。家中の温度を一定に保ち、快適な住環境を提供することを目的としています。
全館空調システムのメリット・デメリット
- 全館空調システムのメリット
- 家中の温度が均一になり、快適に過ごせる。ヒートショックをはじめとした温度差による健康リスクを軽減できる。
- エアコンを複数台購入しなくてもよい。メンテナンスの手間も減る。
- 空気清浄機能で花粉やPM2.5、ハウスダストを抑制できる。アレルギーのある人も安心して過ごせる。
- 各部屋にエアコンを設置する必要がないため、すっきりとした室内空間を実現できる。
- 全館空調システムのデメリット
- 初期費用が個別エアコンを複数台購入する場合と比べて、高いことが多い。
- 一本化されたシステムのため故障時は家全体に影響が出やすい。
- 冬季は湿度が低下しやすく、乾燥対策(加湿)が必要な場合が多い。
全館空調システムの2つの導入方法
全館空調システムの導入方法には「建築を依頼するハウスメーカーの全館空調システムを導入する」と「ビルダーフリーの全館空調システムを導入する」の2つがあります。それぞれについて解説します。
建築を依頼するハウスメーカーの全館空調システムを導入する
自社の全館空調システムを持っているハウスメーカーに注文住宅の建築を依頼する場合は、その全館空調システムを導入することになり、基本的に他社の全館空調システムを導入することはできません。家の建築から全館空調システムの設置まで一社で完結するため、スムーズに施工できます。
ビルダーフリーの全館空調システムを導入する
注文住宅の建築を依頼する工務店が空調メーカーのビルダーフリーの全館空調システムを取り扱っていれば、それを導入することができます。今までビルダーフリーの全館空調システムを取り扱っていなくても、新たに前向きに取り扱ってくれる場合もあるので、全館空調システムを導入したい場合は遠慮せずに工務店に相談してください。
まとめ
全館空調システムとは、住宅全体を効率的に冷暖房するための空調システムのことです。全館空調システムには「家中の温度が均一になり、快適に過ごせる」といったメリットがあります。ハウスメーカーの全館空調システムを比較するうえで見るべきポイントは以下の8個です。
- 初期費用
- 維持費用
- 冷暖房方式
- 機能
- メンテナンスの頻度
- 保証・サポート
- 採用率・採用数
- 住宅自体の気密性や断熱性
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