日本の家づくりを陰から支える鍛冶職人

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注文住宅の価格競争によって失われた職人世界

伝統的な木造住宅の玄関

 

伝統技法を駆使した注文住宅、
木工や指物などの職人文化を、テレビ等で目にすることがあります。
まるで別世界のように紹介されていますが、
そのような、いわゆる「職人の世界」は、
ほんのひと握りの工務店の一部分を切り取った世界に過ぎません。

 

 

価格が重視される現代では、
伝統的な手仕事による家づくりは難しく、
効率よく低価格で家を建てるために、機械仕事が主流となっています。

 

 

「職人の世界」に憧れて弟子入りをした若者が、
現実を目の当たりにして辞めてしまうことも少なくありません。

 

 

実は、私も最初に夢を挫かれてしまった一人でした。
当時、職人の世界へ大きな期待感をもって弟子入りをしましたが、
実際の建築現場は、思い描いていた職人世界とは程遠く、
作業員のような仕事を強いられる日々。

 

 

休憩時間に勉強したり、道具の手入れをしようものならば、
職人衆に囲まれて、まるで見世物状態でした。

 

 

唯一、親方に恵まれたことによって、
大工技術を習得する道を選ぶことができましたが、
理想と現実との違いに、大きなショックを受けたことを覚えています。

 

 

<後継者問題に直面する鍛冶業界>

 

我々大工を下支えしてくれている、
鍛冶屋さんはさらに厳しい状況にあります。
手仕事がなくなり、打刃物を扱う大工が減少したことで、
鍛冶屋さんの仕事は、さらに少なくなってしまいました。

 

 

数多くが廃業し、現在続けている鍛冶屋さんでも、
鍛冶屋としての仕事だけでは生活がままならず、
兼業をされている方も少なくありません。

 

 

名工と呼ばれるような鍛冶屋さんでも、
将来を懸念して、弟子入りを断ってしまうこともあるのだとか。
長年培ってきた高い技術を、次の世代に継承したい気持ちはあっても、
経済的な問題から断念せざるを得ないのです。

 

日本の職人文化を世界へ広めるドキュメンタリー映画

 

今、そんな日本の職人文化を世界に広めるため、
鍛冶屋をテーマにしたドキュメンタリー映画を撮影しようという、
素晴らしい活動があります。

 

 

小資本ながらも支援を募って作品を完成させ、
海外の映画祭への出品を目指しているそうです。

 

 

>>日本の鍛冶屋、ドキュメンタリー映画『the Blacksmith』

 

映像にでてきたのは、越後(新潟)の名工『舟弘』さん。

 

舟弘さんは、『削ろう会』というコミュニティの中心メンバーであり、
廃れていく鍛冶屋文化を守るため、精力的な活動をされています。

仕事で刃物を使わなくなった大工たちに、
鉋がけを通じて腕を競う場(削ろう会)を提供することで、
大工と鍛冶屋双方の技術を守り、発展させていく決意をされた方です。

 

 

削ろう会は、最初は小さいコミュニティでしたが、
普段の仕事にフラストレーションを感じていた若手大工や、
自らの技術を継承したいという親方衆に広まっていき、
今では、全国大会や海外大会が行われるまでに発展しました。

 

削ろう会のイメージ画像

 

結果、打刃物の需要が各段に高まり、
鍛冶屋さんの仕事も増えてきたと聞いています。
ほんの数年前に比べて、刃物の価格相場も倍以上になりました。

 

 

また、若手大工の意識が高まったことにより、
より高いレベルの住宅建築を目指す大工が増えたように感じます。

 

 

今回の映画プロジェクトも、
若い女性プロデューサーさんが舟弘さんに魅せられたことで、
撮影が決定したそうです。

 

なぜ海外の映画祭を目指すのか?

 

日本の職人文化を広める目的なのに、
なぜ海外の映画祭への出品を目指しているのでしょうか?

 

実は、意外にも日本の打刃物は海外からの需要が高いのです。

 

 

海外のバイオリンをはじめとする木製楽器は、
ミクロン単位の繊細な調整によって音が変化します。
高い切れ味を誇る日本の打刃物を求め、
個人輸入をされる楽器職人が増えてきているそうです。

 

 

日本の伝統的な打刃物は、
片刃で非常に切れ味が良く、また砥ぎやすいという特徴があります。

 

舟弘の寸八鑿

 

まだまだ認知度は低いですが、
数年待ってでも手に入れたいという方もいるくらい、
海外の職人から注目を集めているのです。

 

 

これに加えて、海外で映画が上映された暁には、
日本の鍛冶屋業界がさらに活気付いていくことは間違いありません。
こうした夢ある活動がきっかけとなり、
日本中により良い住宅が増えていくといいですね。

 

 

我々大工も鍛冶屋さんに倣って、
自らの腕を磨き、より良い家をづくりをしていくことで、
日本の住宅業界を活気付け、次の世代に技術を継承していきたいと思います。

 

木造平屋建ての注文住宅

 

>>ドキュメンタリー映画の詳細はこちら

 

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