【住宅費用を親から援助】贈与税が非課税になる2つの特例とは?

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贈与税を非課税にするための2つの特例とは?

注文住宅を建てる際、親から資金援助を受けるという人は多いです。
しかし、単純に資金援助を受けてしまうと贈与税が課税されてしまいますし、
贈与税の最高税率は55%と高額です。

 

 

贈与税の控除額はあるものの、
単純計算で贈与額の半分以上を税金として納付しなければならないのです。
そのため、大きな金額の動く住宅取得時には
一定額まで非課税となる特例が2つあります。
2つの制度の概要と違い、どんな時にどちらの特例が向いているのか解説します。

 

贈与税を非課税にするための2つの特例

 

1:住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税

 

正式には
「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」の特例
といいます。
(以後:住宅資金贈与の特例)

 

 

親や祖父母から住宅の購入資金や
増改築のための資金を贈与されたときに、
一定金額まで非課税になるというものです。
非課税になる金額は購入時期や住宅の性能によって異なります。

 

 

■金額

 

期日 良質な住宅用家屋 それ以外の住宅
~平成27年12月 1,500万円 1,000万円
平成28年1月~平成29年9月 1,200万円 700万円
平成29年10月~平成30年9月 1,000万円 500万円

※消費税が8%である場合
※良質な住宅用家屋とは省エネ等基準、
免震建築物などについて一定の性能を証明された住宅

 

 

■要件と注意点

 

続いて、主な要件や適用範囲について。

 

  • 贈与を受けたときに、贈与者の直系卑属であること

    これは、単に親戚というだけでなく、血族である必要があるということです。
    例えば、「息子の嫁」に贈与しても、本特例は適用できません。

  • 贈与を受けた年の1月1において20歳以上であること
  • 贈与を受けた年の合計所得金額が2,000万円以下であること

 

そして、「住宅取得等資金」とはどこまでが範囲なのでしょうか。
この範囲は意外と広いです。住宅だけでなく、
(住宅のための)土地取得代や借地権などの取得費用も含まれます。
また、新たな取得でなく、増改築の資金贈与にも適用できるのです。
しかし、住宅要件は細かいので事前に確認が必要です。

 

【住宅資金贈与の特例を受けるための住宅要件】

 

  • 住宅は、日本国内にあること
  • 住宅の登記上の面積が50平方メートル以上240平方メートル以下であること
  • 床面積の2分の1以上が居住用であること

【取得するのが中古住宅である場合】

 

  • 耐火構造の中古住宅:築25年以内であること
  • 非耐火構造の中古住宅:築20年以内であること
  • 地震に対する安全性が証明されていること

 

具体的には「耐震基準適合証明書」
「住宅性能評価書の写し」
「既存住宅売買瑕疵担保責任保険契約」
などの書類により証明

 

 

購入時に上記の要件を満たさない中古住宅でも、
耐震改修工事を行うことにより
一定期間内に耐震基準を満たせば適用を受けられます。

【増改築等の要件】

 

  • 工事費用が100万円以上(居住用部分の工事費)
  • 登記簿上の床面積が50平方メートル以上240平方メートル以下であること
  • 工事が「確認済証の写し」、「検査済証の写し」又は

    「増改築等工事証明書」などの書類により証明されること

 

住宅に限定された特例のため、住宅に関する要件が厳しいです。
事前に確認して要件から外れないよう注意しましょう。

 

2:相続時精算課税制度

 

この制度は、父母や祖父母からの贈与が2500万円まで非課税になります。
用途は住宅取得に限定されず、自由に使うことができます。
2500万円を超えた部分は一律で20%の税率がかりますが、
贈与者が亡くなったときに、贈与分を相続税で再計算するため、
払い過ぎた分があれば戻ってきます。

 

贈与時

2,500万円まで:課税されない

 

2,500万円を超過した部分:一律20%で課税

相続時

贈与時の価格を加えて相続税の計算を行う

 

贈与時の納税額(2,500万円を超過した場合)が相続税額を上回った場合は戻ってくる

 

贈与時にいったん「一律20%」
としていたものを相続時に改めて計算するということです。
非課税部分は相続時も非課税のまま変わりません。

 

 

■要件と注意点

 

贈与者、受贈者双方に年齢要件があります。

  • 贈与者 贈与をした年の1月1日において60歳以上の父母又は祖父母
  • 受贈者 贈与を受けた年の1月1日において20歳以上

 

なお受贈者は子や孫で、将来相続人になることが推定される人です。
この制度を一回利用すると、上限までは何度贈与しても
限度額まで非課税であるのがメリットです。
つまり、住宅取得で1,000万円贈与したあとも、
2500万円の枠いっぱいまで何度でも贈与をすることができるのです。

 

 

ただし相続時精算課税にかかる
贈与税額については110万円の基礎控除は利用できません。

 

 

■贈与税はどのくらい?

 

なお、「ふつうに贈与したならいらくらい税金がかかるの?」
という疑問もあるかと思います。
比較対象として贈与税の税率も記載しておきます。

 

【贈与税】(一般税率)
贈与額 税率 控除額
200万円以下 10%
300万円以下 15% 10万円
400万円以下 20% 25万円
600万円以下 30% 65万円
1,000万円以下 40% 125万円
1,500万円以下 45% 175万円
3,000万円以下 50% 250万円
3,000万円超 55% 400万円

※祖父母や父母から子・孫への相続税は、若干特例あり

 

 

例えば、「良質な住宅用家屋」のために、子が親から1,000万円の贈与を受けた場合

  • 住宅資金贈与の特例では:非課税
  • 相続時精算課税制度では:非課税(非課税枠の残り1500万円)
  • 通常の贈与税(ここでは一般用の税率とする)

 

(1,000万円-基礎控除110万円)×40%-125万円=231万円

 

通常の贈与の場合、
1,000万円贈与しても231万円の税金がかかるため、
実質769万円の贈与額ということになります。

 

 

■どちらが向いているのか

 

住宅資金贈与の特例は
相続時精算課税に比べると金額が小さく住宅要件も厳しいです。

 

 

相続時精算課税制度は、
限度金額が大きく使途の自由度も高いですが、
相続時に再計算しなければならず、
納税額が確定しないという不安定さに加え、
以後の基礎控除が利用できないという注意点もあります。

 

 

2500万円以内で複数回、効率よく贈与するならば
相続時精算課税制度のほうが自由度が高く使い勝手がいいかもしれません。

 

 

しかし贈与の目的が住宅のみであり、
その後の贈与は基礎控除内に収まるようであれば、
住宅資金贈与の特例のほうが将来に結果を引きずらないためいいのではないかと考えます。
贈与を考えている方は、両者の特徴を知り検討してみてください。

 

参考:

直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税

相続時精算課税の選択

贈与税の計算と税率(暦年課税)

 

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