2017年1月に地震保険料が値上げされる
ふだん、地震保険料をいくら払っているのか意識している人は少ないです。
しかし、2014年7月に全国平均で15.5%の値上げ実施された地震保険は、
2017年1月に再び改定されました。
短いスパンでの2度に渡る料金改定は、地震保険加入者及び、
加入を検討している人にとって気になるニュースではないでしょうか。
実は、今回の改定は地震保険料以外の変更点もあります。
何がどう変わるのか、そして地震保険の役割や
メリット・デメリットとともに見ていきましょう。
地震保険の現状の加入率は
地震保険の現在の加入率は、
全国平均29.5%と決して高くありません。
理由として、保険料の高さの割に補償額が低いことが挙げられると推測します。
また、住宅会社が自社物件の耐震性能を誇示するがゆえに、
積極的に地震保険の加入を勧めないこともひとつでしょう。
火災保険は住宅ローンの借入を行う際の条件とされているため、
新規で注文住宅を建築したり、
マンション購入したりするときには概ね加入すると考えていいでしょう。
地震保険は火災保険に付帯する形でしか加入できませんが、
火災保険に加入する際に必ず付帯しなければならないものではありません。
住宅購入というお金のかかる時期に
「補償額の少ない地震保険は後で加入しよう」と、
後回しにすることもわかるような気がします。
確かに地震保険の補償額は低いかもしれませんが、
それをだけで「不要」と断じることはできません。
地震保険のメリット・デメリットをおさらいしてみましょう。
地震保険のメリット・デメリット
地震保険のデメリットとされる補償額の低さですが、
その低い理由は「火災保険の30%~50%まで」という規定にあります。
また、対象も生活上必要なものに限定され、
貴金属や有価証券、そして自動車も補償されません。
その辺りが保険料と比較したときに不満感が大きいのではないかと考えられます。
また、区分が3区分というのも疑問に感じる人が大きいと推測します。
現状では「全損」「半損」「一部損」の3区分だけとなっており、
損害の実態に沿った判定がされるか不信感を持つ人が多いようです。
もし一部損とされると地震保険金額の5%が限度となり、大きな補償は望めません。
■ではメリットは?
地震保険の強みは、スピード感ある保険金の支払いです。
一般的に保険会社の調査員による立会調査後、数日で支払われます。
被災間もない時期の保険金は大きな励みになるでしょう。
なお、被災直後は家の瓦礫や
(地震により)散らかった室内は一刻も早く片付けたいものでしょう。
しかし、損害を過小に評価されないためにも、
地震の被災状況をきれいにする前に、
写真に撮るなどして記録しておくことをおすすめします。
地震のリスクが非常に高い日本では、
補償額が低く抑えられてしまうのは仕方がないことです。
補償額の低さを嘆くより、公的支援などと併せて
すこしでも再建資金を上乗せすることを考えた方が建設的です。
公的な災害支援は、住宅の場合最大300万円ですので、
両者を合算してまとまった額にすると考えてはいかがでしょうか。
地震保険改定によって何が変わる?
実は、地震保険料の改定によって、
全ての地域の地震保険料が値上げされるわけではありません。
愛知・三重・和歌山県など、
一部の都道府県では保険料が引き下げられます。
インフレや消費税増税が理由で一律に値上げされるわけではなく、
最新の情報に基づくシミュレーションにより、
被害やリスクが大きいとされる地域では値上げが、
逆の場合は値下げが行われるのです。
また、改定によって損害区分も3から4区分へと増えることとなります。
これにより、より損害の実態を反映した判断が期待できそうです。
多くの都道府県で保険料が上がるため、
どうしても「値上げ」というインパクトが強くなってしまいますが、
値上げには理由がありますし、そのほか改良点もあります。
保険料が上がる、という情報だけで
地震保険の加入を敬遠するのは得策ではありません。
地震保険の改定まとめ
最終的に、地震保険に加入すべきなのでしょうか?
基本的に、地震リスクの高い日本では、加入をおすすめします。
地震保険は再建の足掛かりとなる資金のため、
復興に必要な自己資金が心もとないならば加入しておくべきです。
逆に保険や預貯金などが潤沢ならば加入の必要性は低いといえます。
ただし、被災後に金融インフラが混乱していると、
自己資金をすぐに現金化できないことも想定しておくべきでしょう。
万が一の時のために、加入の必要性をじっくり検討してみてください。
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